チラシの裏

ヴィクター博士の回顧

要注意団体が創り出す異常存在に対して、我々は何時も後手後手で対応せざるを得なかった。すなわち対症療法的な、記憶処理と現場の修復、そして特別収容プロトコルの設定という、極めて億劫な手順でだ。 我々が管理する数々のSCP。そいつらの扱いを誤ったな…

とある博士の手記

人口が60億人を越えると、記憶処理の実行及びカバーストーリーの流布では完璧な隠蔽が困難になってくる。そして一度認知された異常存在は伝染病の如く急速に世界へ広まり、やがてKクラスシナリオを引き起こす。それが"今迄の世界"から得られた知見だった。こ…

優越する六十分の一スケール

静かな朝だった。何とも知らぬ野鳥の囀り。階下から音漏れするテレビ番組。微かに聴こえてくるはずの、自動車のエンジン音。全ての生活音がない、自室での朝だった。 時間を見る。壁時計は七時丁度を指している。いや、秒針は止まっているので、額面通りに考…