賽の河原ゲー「すみすみ」の恐怖

「すみすみ」はすみっコぐらし中心としたサンエックスキャラクター総出演のキャラクターパズルである。知っての通り私はすみっコぐらしオタクなので、このゲームもリリース初日からやっていた...のだが。

幾らソーシャルゲームにしても、余りにやばすぎたので扱き下ろし記事を書くことにした。褒められるところだけ先に言っておくと、

  • エリア3(60ステージクリア)辺りまではそこそこキャラパズルっぽく楽しめる
  • キャラクターは可愛いところ

の2点くらい。では行きます。

ギミックが陰湿

このゲームは「ツムツム」に近い言わば"待ちパズル"の方式を採っているのだが、"特定のキャラを隣接させて消す""消去しないと毎ターン増加し続けるお邪魔マス""転移先が分かりづらいワープホール""特定キャラを端まで移動させる"など、能動的な消去ができないゲーム性に対して不適切なギミックが多い。後半ステージになるとギミック自体がややこしくなるだけでなく、消去系ギミックに耐久力が付くようになる。
これらの待ちパズルに噛み合わない要素が、開始時にとくぎゲージがランダムで溜まっている仕様と相まって、"開幕にとくぎが使えるようになるまでやり直す"という下らない運ゲーを強いられることになる。
大味かつ杜撰なパズル
盤面を一掃する「ビッグウェーブドラム」が強力過ぎる。"ドラムを使用しないと消去できない飛び地"や"消去する場所やキャラの指定"といった多くの厄介なギミックを完全に無視できる。また消去個数が多いためスコアが稼ぎやすく、とくぎゲージも溜まりやすいと至れり尽くせり。これを使ったところでヌルゲーになるわけではないが、キャラを端に移動させるステージ以外はレインボードラム戦法だけでクリア可能なほどの強さを誇る。これではギミックの豊富さがイライラ要素にしかなっていない。

  • ビッグウェーブドラムの発動条件は"同じキャラを10体以上同時消しした時に出現する「レインボードラム」を2つ隣接させて消す"こと。難しいといえば難しいが、一部のとくぎを使えば簡単にレインボードラムを作れる。前述の通り相対的なとくぎの発動速度・スコアの期待値も上がるため、「レインボードラムを作りやすいとくぎ」持ちが優遇されている。
  • また「キャラを端に移動させるステージ」はレインボードラム戦法ではクリアが難しいが、それ以前にそもそもの難易度が高い。プレイヤーが介入できる部分が少ないため、指定地点へ移動させるという条件自体が不適切なのだろう。

意義が見出せないおともセットシステム

キャラ(おとも)は3体セット可能。とくぎゲージは共有で、スコアは3体の能力を合算する。

  • 基本的に課金キャラはとくぎ発動時に地点指定ができる、スコア能力も高いと優遇されている。...のだが、とくぎLvを最大にするには同キャラを18回(非課金キャラは12回)当てなければならず、スコアLvを上げる際に必要なコインも多い。因みに排出率は低いものだと2%程度。
  • 前述の通り「レインボードラムを作りやすいとくぎ」持ちが優先だが、とくぎゲージが共有=発動キャラを選べるので3体ともが有用なとくぎ持ちである必要はない。スコア能力が高い課金キャラはとくぎLvが低くても入りやすい
  • 一方でLvに応じてとくぎゲージが溜まりやすくなるということもないため、3体の育成によって無駄に手間がかかるだけに感じやすい。育成素材が激甚に重いので尚更。

極端なスコアの扱い
ステージクリア時にはスコアに応じて最大3つの星が付く。3つ星で「旗」が立つ。

  • エリア内の全ステージを3つ星クリアするとハードモードに挑戦できるようになるが、クリア報酬はない。ランキングに反映されるだけで、ランキング報酬もない。強いて言うならフレンドのスコアを追い抜くことで50コイン貰える程度。因みに非課金キャラを入手するためのガチャを1回引くためには120回フレンドのスコアを追い抜かなければならない
  • 全ステージ3つ星クリアは次のエリアに進む条件にもなっている。これ以外では課金アイテムを使うかフレンドの助けが必要。

またイベントでは3つ星クリアでないと報酬が受け取れない場合が多い。配布分やクリア報酬がしょぼいゲームなので、イベント報酬が受け取れるかは死活問題になる。
このように、高スコアが求められる割に見返りがしょぼすぎる。高いスコアを出せるに越したことはないが、かなりの運ゲーなので3つ星クリアのために同じステージを何百回もやらされるのもザラという...。
上限が低すぎるスタミナ制
「おにぎり」はスタミナの代わり。個数と同じ回数、ステージに挑戦できる。おにぎりは5個までしか回復しないが、1日に1個ずつフレンドへ送りつける事ができる。

  • 15分で1個回復するため、あぶれるのを防ぐには75分毎に5ステージという超高頻度でプレイし続けなければならない
  • 5個より多く受け取れないため、アクティブユーザー同士で繋がっていると送られたおにぎりの消費に苦労する。受け取り期限が一週間しかないので貯めておくこともできない。また一斉に送りつけることもできないため、人数が多くなればなるほど煩わしくなる。
  • おにぎりが0になった時には一々プレゼントの受け取り画面に行かなければならないため、運に振り回されるせいでプレイ回数が嵩むこのゲームには向いていない。プレゼントに100個あっても20回は受け取りに行く必要がある。

悪質なコンティニュー制度
コンティニューが可能なのだが、「手番が5回増加するだけ。しかも1回しかコンティニューできない制限付き。

  • ゲーム内でコンティニューの回数制限についての説明は無いため、コンティニュー後にそのままゲームオーバーになって初めて気付くのが殆ど。
  • 手番が最低でも15回はあるうえに運に左右される部分が大きいので、たった5回増えてもスコア・クリア両面で影響が小さい。そのくせ課金アイテムの消費が他ゲーと比べると割高(1.5倍程度)。また課金アイテムの消費で手数を減らさずに盤面を消せる特殊なアイテムが使用できるのもあって恩恵は皆無。

これらのみみっちい仕様は「連続コンティニューでスコアを伸ばし続ける」のを避けるためなのだろうが、それならばコンティニューでクリアしたステージのスコアを無効にすればいいだけの話ではないか。多分運営が陰湿なだけで、こんな高尚なこと考えてないと思う。

  • また、タスクが落ちると強制的にステージから追い出される。アプリ自体が重い上にステージ内で課金アイテムの消費要素もあるゲームで、データが保持されないのはいかがなものか。技術力が足りないのか意図的な仕様なのかは不明だが、どちらに転がってもタチが悪い。

総括
プレイ回数の回復やランキング制などソーシャル要素は豊富だが、アクティブユーザーを定着させる努力が一切されていない上にランキング報酬もないため、通常プレイにおいては制約にしかなっていない。
イベントについても高スコアでクリアしなければ報酬を受け取ることができず、「レインボーフラッグ」に至っては恩恵が全く無い...と惨憺たる状態。
これら全ての仕様が「同じキャラクターを最大18回も当てなければならないガチャ」「ステージで使用可能な特殊アイテム・育成素材の購入」という露骨な集金体制へ集中するようになっているのは上手くやったものである。
ではゲームとしてどうなのか、というとコンティニューの仕様や高スコア前提のやりこみ要素の多さ、視認性の悪さや等比級数的に跳ね上がっていく難易度、そして痒いところに粗塩を揉み込むかの如き劣悪な操作性によって「パズルゲー」としても「キャラゲー」としても成立していない。強いて言えば貧弱な貯蓄を吹き飛ばして特定のキャラクターを育成し、トライアンドエラーを延々と繰り返す「賽の河原ゲー」。「一部のキャラクター以外機能しないゲームバランス」「悪質なコンティニュー機能」「ソーシャル性に縛られたスタミナ体制」「杜撰さから生じる異常な難易度」と、廃人が揃う5chですらテンプレートに「運ゲーなので課金系統のコンテンツは無意味」という旨の文章が書かれてしまった前作「すみっコぐらし パズルをするんです」の問題点を何一つ解消せず、今度は"すみっコぐらし"以外のサンエックスキャラクターをレ○プしに行く剛毅さも相まって、ソーシャルゲーム内でも有数のストロングスタイルのクソゲーである。